2015年2月26日木曜日

憲法は野獣の鎖

デヴィッド・ヒューム(英哲学者)
--人間の本性と政治について。(1777年)
政治研究者が見いだした根本原理によれば、いかなる統治制度であれ、それを考案し、憲法による制御の仕組みを確立するには、あらゆる人間は悪党で、行動の目的はすべて私欲以外にないとみなさなければならない。国民は私欲によって支配者を抑え、彼らの飽くなき貪欲と野心にもかかわらず、その私欲を利用して支配者を公益に従わせなければならない。さもなければ、どんな憲法も役に立たない。結局、支配者の好意がないかぎり、自由と財産を守れなくなる。それはつまり、守れる保証は何もないということである。
# 国家権力の濫用を防ぐため、憲法で権力の行使を制限する。この考えを立憲主義といい、近代憲法の根本原理である。言い換えれば、憲法の役目は権力を縛ることである。だから権力者が憲法を嫌うのは当然といえる。たとえば安倍晋三首相は2014年2月3日の衆院予算委員会で憲法についてこう述べた。「国家権力を縛るものだという考え方はありますが、しかし、それはかつて王権が絶対権力を持っていた時代の主流的な考え方であって、今まさに憲法というのは、日本という国の形、そして理想と未来を語るものではないか」。これは誤っている。民主主義国家であっても権力は濫用される恐れがあるし、事実されている。だから国家権力という野獣を縛る鎖としての憲法の役割は、変わらず重要である。(木村)
Political writers have established it as a maxim, that, in contriving any system of government, and fixing the several checks and controuls of the constitution, every man ought to be supposed a knave, and to have no other end, in all his actions, than private interest. By this interest we must govern him, and, by means of it, make him, notwithstanding his insatiable avarice and ambition, co-operate to public good. Without this, say they, we shall in vain boast of the advantages of any constitution, and shall find, in the end, that we have no security for our liberties or possessions, except the good-will of our rulers; that is, we shall have no security at all.
- David Hume
出所:oll.libertyfund.org

参考記事:ハゲタカに氣をつけろ(J・S・ミル) - ラディカルな経済学

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