2016-12-30

マルクスの神話

Carmen Elena Dorobăț, Mises on the Myth of Marx(ミーゼスが論じるマルクスの神話)より抜粋。

経済学者ミーゼスは、いくつかの著作でマルクスの神話を批判した。マルクスの著作にある矛盾や誤り(inconsistencies and errors)を指摘し、文体を批判した。(以下はミーゼスからの引用)

マルクスの経済学はリカードの〔誤った〕経済学をさらに混乱させたものでしかない。ジェボンズとメンガー(Jevons and Menger)が限界革命で経済学の新たな時代を開いたとき、マルクスの活動期は終わりに近く、『資本論』の第一巻はすでに出版されていた。

〔リカードやマルクスの労働価値説を否定する〕限界理論に対してマルクスが示した唯一の反応は、『資本論』(Das Kapital)の第二巻以降の出版を遅らせることだった。それらは出版当初すでに、近代的な経済科学からかけ離れていた。

マルクスは政治的著作(political writings)でしか、力強く訴える文章を書けない。それも鮮やかな対句や覚えやすい文句、空っぽな中身を隠す言葉遊びの文によってである。

マルクスが説く救済説(doctrine of salvation)は人々の恨みを正当化し、嫉妬と欲望を復讐心に変え、歴史の使命に向かわせる。使命の自覚を促すため、君たちは人類の未来をもたらすと呼びかける。

マルクスは庶民の恨みを科学の装い(nimbus of science)で飾り立て、知的・倫理的水準の高い人々を惹きつけた。あらゆる社会主義運動は、マルクスの救済説を多少なりとも取り入れている。

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