2016-12-08

キューバ医療の現実

John R. Graham, Castro’s Death and Cuban Health Care(カストロの死とキューバの医療)より抜粋。

ウィキリークスが公表した米情報機関の通信によれば、キューバでは多くの若いガン患者が手術後、C型肝炎(Hepatitis C)に感染している。事前の血液検査が不適切だったためとみられる。患者は感染が及ぼす深刻な影響について十分知らされていない。

入院患者は部屋に灯りがほしければ、自分で電球(light bulbs)を用意しなければならない。シーツ、タオル、石鹸、栄養補助食品も自前だ。病院食は毎日、米、魚、卵、ジャガイモばかりで、新鮮な果物や野菜、肉は出ない。

検査機器はひどく原始的である。簡単な全血球計算(complete blood count)は検査技師が手作業で行う。顕微鏡をのぞき、白血球、リンパ球、単球などを数えるのだ。 

マイケル・ムーア監督が映画「シッコ」で称えた1982年設立の大病院は、患者の多くが国際共同事業「オペラシオン・ミラグロ(奇跡の手術)」(Operation Milagro)で無償手術を受けるベネズエラなどの外国人である。最上層は最も近代的で、医療観光客や外交官が予約し、外貨で支払う。

普通のキューバ人患者(Ordinary Cuban patients)はこの病院に入れない。同病院は医療観光客を呼び込もうと、英語のウェブサイトでサービスを売り込んでいる。

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