2017-03-01

民主主義信仰の終焉

Jeff Deist, Democracy, the God That's Failing(民主主義――衰えゆく神)より抜粋。

投票の「神聖な」権利について熱く語っていたヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)はトランプに敗れたとたん、ロシア陰謀論に固執する。もし国民がフェイスブックに流れる馬鹿げたポストにたやすく騙されるのなら、なぜ投票が神聖などと言えるのか。

ブレア英元首相(Tony Blair)は、EU離脱派は「不完全な知識」しかなかったから国民投票結果を破棄せよという。だが選挙前の有権者はいつも、候補者や政策に不完全な知識しかない。自分がかつて下院議員に当選した選挙をまず破棄させてはどうか。

民主主義とはまがい物(sham)であり、自由を愛するすべての人はこれに反対すべきである。投票や選挙によって政府が正当化されることはない。民主的な政治過程があからさまな戦争に置き換わる分だけ、わずかにおぞましさが和らぐにすぎない。

民主主義の幻想(democracy illusion)が永遠に砕け散るときは近い。歴史上つねに悪しき考えとされてきた民主主義が煽るのは、思慮のない多数決主義、政治的な迎合、盗み、再配分、戦争、有権者のたかり根性。それは時代とともに国内外で悪化の一方である。

未来の自由な社会では脱中央集権化が進み、小規模な離脱国家や地域が中心になるだろう。そこでは真の自己決定(self-determination)や住民の総意が、幻想ではなくなるはずだ。

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