2017年4月1日土曜日

商業は宗教共存のカギ(ボルテール)

次より抜粋。
(哲学者ボルテールいわく、商業と寛容が支配する場所では多様な信仰が平和と幸福のうちに共存しうる)

ロンドンの株式取引所(Royal Exchange of London)に一度入ってみたまえ。ここは多くの高等法院以上に尊敬に値する場所である。そこには人類の利益のためにあらゆる国の代表者たちが集まっているのを見るであろう。

取引所では、ユダヤ教徒、イスラム教徒、キリスト教徒が、同一宗教に属する人間であるかのように、互いに取引を行い、異教徒(infidel)という名前は破産なんかする連中にしか与えられない。

そこでは、長老派教徒は再洗礼派教徒を信用し、国教徒はクエーカー教徒の約束手形を受け取る。こうして平穏で自由な会合から出て、ある者たちはユダヤ教会堂(synagogue)に行き、ある者たちは一杯飲みに出かける。

一人が父と子と聖霊の御名において大桶の中で洗礼をしてもらいに出かけると、別の一人は自分の子供の包皮を切ってもらい、自分でもわからないヘブライ語の文句(Hebrew words)をその子供に向かってもぐもぐ唱えてもらう。

別の者たちは自分らの教会に出かけて行って、帽子をかぶったままで神の霊感(inspiration)が下るのを待っている。そしてみんな満足している。

*中川信訳(『哲学書簡・哲学辞典』中公クラシックス、p.47)を一部変更。

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